さべひろのこと

お腹が減りました。

KAKKA cafe

f:id:hsabetto:20121104150038j:plain:w150:right今日は池袋に行った。

お気に入りのカフェであるKAKKA cafeさんが、店主さんのご都合で閉店されることをつい先日に耳にしたので、閉店までに何とか来たいと家族で来ることにしたのだった。閉店まで残り2週間になってしまったので、駆け込みの訪問になってしまったけれど。

f:id:hsabetto:20121104142819j:plain:w200:left毎週のように通ってお世話になっている近所の馴染みのカフェのマスターから、池袋に開店のお手伝いをされているカフェがあると教えてもらったのがこのお店を知った最初で、そうやって初めて訪れてからはや2年弱になる。そういえばその最初の訪問は娘が2歳になって暫く経ってからで、今や娘はもう4歳と少しだ。

KAKKA cafeさんでは、焙煎したての雑味のない新鮮な珈琲が美味しい。メニューにある珈琲の銘柄の中では、ハワイコナがウリの一つで、上品に甘みが残るクセのない味わいが美味しくて、来るといつも飲んでいる。最後になる今日もじっくり味わいながらハワイ・コナを注文して、飲んだ。今日も美味しかった。

f:id:hsabetto:20121104140916j:plain:w200:rightお昼ごはんがてらに来たので、他にロコモコなんかも頼んだりして、みんなでシェアしながら食べた。料理も美味しいのだ。

そうやって、私は、お気に入りの場所が一つ減ることの寂しさを噛み締めながら、しんみりと過ごした。店主さんの胸中は伺い知れないけれど、既に心決められているのか、いつもと何も変わらないように見えた。賑わっていた周りもいつもと変わらない風で、ひとり温度の違いを感じつつ、センチメンタルといえば聞こえはいいのかもしれないけれど、結論ついたものに対し、ダラダラと引きずってしまうのは私のよくないタチなのだ。

そんなことはさて置いて、今までお世話になりました。店主さんの次の道が幸多きものになりますよう。

台湾旅行:5日目(高雄)

観光

今日は帰国日。

新幹線を経て、空港に12時くらいには戻らないといけないので、ホテルを9時には出発しなければならない。あまり遊ぶ時間は取れないため、せめてと、朝ご飯をホテルではなくて地元の人たちの食堂になっている場所で味わうことにした。

その後は移動のみの一日。台湾桃園国際空港から成田空港に戻り、夜には予定通り帰宅した。

食事

f:id:hsabetto:20120904084328j:image:right:w200 朝ご飯は、高雄市前金區六合二路の興隆居へ自転車で向かい、食べた。確か店には7時すぎくらいの到着だったと思うのだが、店はかなり賑わっていた。自転車を停めると、ちょうど前に停まっていたバイクにはランドセルが乗っかっていて、ああ子どもと親が登校前に朝ご飯を食べているんだと、何だかそれを見るだけで楽しかった。お盆に出来立ての料理を好きなだけ乗せて会計を済ませ、店に併設されている食堂でそのまま食べた。冰豆漿・湯包・夾蔥蛋・燒餅夾蔥蛋なんかを頼んだと思う。どれもこれも美味しくて、雰囲気も楽しめたし、大満足。

といったところで、

台湾の5日間の滞在も終わり。楽しかった。天気予報のどこかには雨マークがあったはずなのに、実際にはまったく雨に降られなかった。なんという幸運。

台湾の人は心の余裕が懐の深さにつながり優しさが滲んでる。ただぷらぷら歩いてるだけでたくさんお世話になった。感謝すること仕切り。

心配していたベビーカーなしでの娘の帯同も、全体的に昼寝に確保できた時間が多くはなかったけれど、うまくやり繰りして最低限を確保でき、すこぶる元気に過ごさせることができたのではないかと思う。暑さと疲れで抱っこをせがまれることも多かったけれど、そこは好きにしている大人が引き受ければいい。

最後に主目的だったご飯!! どれもこれも出汁がよく利いていて味付けは最小で。私の好みにスゴく合った。値段を気にせず食べられるのも幸せだ。本当に幸せだ。
そういえば、今回台湾で行ったお店で、是非と他の人にも紹介したい店をまとめてみた。(【台湾】台湾で、地元の人も通う、美味しい台湾料理が食べられる店 - NAVER まとめ

次に来れるのはいつになるかな。また来よう。再見!!



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台湾旅行:4日目(高雄)

観光

今日は日がな高雄。

f:id:hsabetto:20120904111128j:image:right:w200 まず最初に電車とバスを乗り継いで、蓮池潭へ。二つの塔の出入口が大きな龍と虎になっている龍虎塔を、娘が喜ぶだろうと思い、連れてきた。案の定ハマってくれて娘は喜んでた。

その後はお昼ごはんにと市場に向かったのだが、月曜日はお休みのようで、ことごとく当てにした店にフられにフられた。閑散とした市場は寂しかったし、きちんとしたご飯も食べそびれた。一食無駄にしてしまった。残念無念。

気を取り直して港に行って、レンタサイクルで海を見ながらサイクリング。サイクリング中に訪れた一つの中山大學構内に、ビーチがあったのが印象的。どういうことだってばよ。

高雄は名所が目白押しなわけでもないし、月曜日の街は静か目だったので、バスや徒歩や自転車からのんびり街並みを楽しんだ。街並みは古いし、碁盤の目になっているわけではないけれど、決して袋小路にはまってしまうようなことはないし、車が通れないような道もない街並みを。そういえば、高雄の街と5年ほど前に行ったシチリアの街は何となく通じるものを感じた。気候と人と、そして例えば油臭い自転車屋さんなんかが。

食事

夕食はややちゃんとしたレストランに行ってみた。 高雄市苓雅區の無老鍋(【食記】高雄。無老鍋 @ 晴天 :: 痞客邦 PIXNET ::)というお店で鴛鴦鍋を食べた。結果、(ここの相場からは)割高だったけれど、上品で美味しかった。おまけに、凍み豆腐と鴨血がサービスでじゃんじゃんお代わりされて、且つ美味しかったもんだから、もう何もできないくらい満腹になった。


いよいよ明日はもう帰るだけだ。
今日はそう言えば、バスはお釣りの出ない分を持って乗車しないといけないと学習した。お釣りが返ってくるシステムはないのだ。という小さなレベルアップもなくなると思うと、寂しいなあ。



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台湾旅行:3日目(台北・高雄)

観光

今日は午後の新幹線で高雄に行く予定にしていたので、お昼ごはんは台北で食べることにしていた。新幹線が出発する時間まで、美味しい店を探して台北市内を電車とバスで回り、昼ごはんとデザートを食べて、15:30出発の便で高雄へ向かった。

台北を離れるあたり、3日間お世話になったプリペイドカード(悠遊カード)を返金してもらった。最初の入金額だった500元の内、使ったのは3割くらいだった。アレだけ使ったのに、日本円で\500いってないのか。安い。

高雄行きの新幹線の切符は日本からオンライン予約していたものを、駅の予約券受取り機で受け取った。そういえば、駅の新幹線の券売機には「English」ボタンがあるのに、予約券受取り機には「English」ボタンがなく、北京語表記のみだった。予約した際にパスポート番号を入力したので、引き取るときも番号が必要だろうと準備はしていたのだけれど、入力キーには英字がないし4桁しか入らないしで焦った。画面の北京語の漢字の感触で下4桁と読めたのでそう入力すると先に進めて、ホッと安心。乗車した新幹線の車両も噂通り700系そのものでもうお腹いっぱい。

高雄に着いて、新幹線の終着駅からホテルまで、地下鉄と徒歩でのんびり移動していると、チェックインした頃には日が暮れた。早速、荷物を置いて街に繰り出して晩ご飯にすることに。ふとホテルのロビーに目をやると自転車が置いてあったので訊いてみると、レンタルできた。お陰で、目当てにしていた地元民が普段利用する食堂まで楽して移動できた。子どもも乗せていることだし、ルールの勝手が違う国で初めて自転車を運転するのは少し警戒したけれど、何にせよ楽しい。旅に自転車は最適だ。

f:id:hsabetto:20120903082414j:image:right 食堂の帰りにはホテル最寄りの六合夜市に寄って雰囲気を楽しんだ。ここの夜市もこれまで訪れた夜市と同様に活気あったけれど、比すると道幅広い場所で開かれていて落ち着いて楽しめるのがいい。夜市でビールのあてを買って部屋でイッパイやって今日はおしまい。

食事

お昼ご飯は、台北市大安區麗水街の豐盛食堂([記食] 永康麗水商圈 豐盛食堂 | 迴紋針‧食攝幸也)にて素朴な家庭料理を食べた。これが素朴という形容が失礼なほどどれもとびきり美味かった。多分、お野菜も上質な上に、炒めの火の通しが絶妙で、しゃっきりしてるのにカリカリで。美味い美味いとムハムハ食べた。

f:id:hsabetto:20120902120653j:image:w200:left f:id:hsabetto:20120902121231j:image:w200:left f:id:hsabetto:20120902121020j:image:w200

f:id:hsabetto:20120902140955j:image:w200:left f:id:hsabetto:20120902205724j:image:w200:left お昼ご飯を食べた足でかき氷を食べた。(この旅、3杯目) 台北での食事はこれが最後だ。寂しい。

晩ご飯は、高雄市林森一路の原郷牛肉拉麺という店で、牛肉拉麺を食べた。(左の画像は豚足の拉麺) 手打ちの麺がもちもちとしていて、でも腰がしっかりしていて、縮れも適度にいい具合。スープも非常に美味しかった。私は豚足の拉麺の塩味あっさりのスープよりも、甘味と酸味がついた牛肉拉麺の方が好みだった。

f:id:hsabetto:20120902204528j:image:w200:right そういえば、遅ればせながら街の食堂で、入って出るまでの要領がわかったような。まず店に入って席を取ってから、厨房近くに行って注文して席に戻ると、料理は席まで持ってきてくれる。つまみやお酒は注文して戻るときに自分で取って帰って料理が来るまでつつく。お代は帰るときに。多分そうだきっとそうだ。昨日は注文してお代を払ってしまったし、料理が来るまで暇だった。でも周りの人は大抵つまみをつついていた。次はうまくやろう。

夜食には六合夜市で蟹のフライを買ってビール飲みながらつまんで食べた。ただのフライなのに何だか旨かったなあ。


夜だったからか、台北に比して街の雰囲気が少し荒いのでその分少し気を引き締める。でも明日は日の出てる時間から一日ここで過ごす。どこに行って何食べようかな。



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台湾旅行:2日目(台北・新北)

観光

午前中は地下鉄(台北捷運)のプリペイドカード(悠遊カード)を買い、台北市内を地下鉄で移動しつつ名勝を巡ったりカフェしたり。

悠遊カードは地下鉄の運賃が割引になるしコンビニでも使えるし便利。台北捷運周りだけでなく台湾国内の他でも使えればいいのに。

▼艋舺龍山寺
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特に万華区にある龍山寺が印象的。壁がコンクリートになっていたところが多かったのですべてが昔からの造りでないことはわかるが、適度にくすんだ極彩色の彩りが美しい。たくさんいる観光客と、それを意に介さず長いお線香を持ってお祈りしている老若男女と、本堂の周りでお経を読んでいる老人と。いろんな熱気と日常が一緒に進んでいた。

午後は娘の昼寝の時間を確保したかったので、移動中に寝かせるべく少し台北を離れた。台湾鉄路の東部幹線で瑞芳駅に向かい、瑞芳駅からバスを乗り継いで九扮に行った。

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日照りは強かったけれど海沿いの風が冷たくて気持よかった。

街の通りは、狭い路地に大変な人混みで賑わっていた。あれだけ小さな店が沢山あったのに、同じようなサービスを提供している店は殆どなくって、個々に個性を維持していたのが印象的。多分、台北から来ている人もたくさんいて、諸種様々な個性も人気のひとつの要素じゃないかと思った。

九份から帰りは台北まで行くバスに乗車して市内に戻り、士林夜市に行って夕食を摂り、今日はおしまい。

食事

f:id:hsabetto:20120901120310j:image:w200:left f:id:hsabetto:20120901153453j:image:w200:left 昼ご飯前のカフェにと台北市内でかき氷と豆花を食べた。豆花は極めが細かくて美味しかったなあ。

昼ご飯は九份で老麺を食べた。出汁がしっかり効いていて味付けはシンプルでするする食べられる。美味しかった。


f:id:hsabetto:20120901202027j:image:w200:right f:id:hsabetto:20120901164725j:image:w200:right 午後のカフェには九份で少しちゃんとした店に入って本格的で美味しい烏龍茶を飲んだ。東方美人の葉を買って淹れ方を教えてもらい、海を見ながら美味しい茶菓子とともにたくさんお茶を飲んだ。残った葉は持って帰らせてもらったので、家でも続きを楽しもう。

夜ご飯は士林夜市でいろんなものを食べ歩いた。士林夜市は屋根付きの施設の中に屋台が沢山はいっている形態だった。誰も彼もここでご飯を食べているんじゃないかという賑わいぶり。席につくのも一苦労。牡蠣を卵で包んだものが一番のお気に入り。


さて、

台湾鉄路で間違ったホームに行ってしまった我々を親切に誘導して下さった男性と、バスで大きなお金しかなくて困っていた我々に親切に両替して下さった男性と、に感謝しつつ、今日はこれでおしまい。明日は高尾に移動しよう。



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台湾旅行:1日目(台北)

今日から4泊5日の台湾旅行。

台北入り

今回は成田国際空港からエバー航空(台湾の民間航空会社)を利用した。エバー航空は台北だと台湾桃園国際空港の離発着になった。台湾の航空会社なのに、台北松山空港の離発着でないのはなぜだろう。

少し調べたところ、ニュー台湾ドルへの両替は、台湾で交換したほうがレートがいいとのこと。空港の出国審査終えてすぐのところにある両替所で両替した。この日のレートは2.67NTD/円だった。確かにお得。

気候は、空港から出た途端に湿気のカーテンで眼鏡が曇ってしまい、梅雨明けする前に夏に突入してしまいましたというようなもので、慣れているようでいてまったく違うもので新鮮だった。

台湾桃園国際空港から台北市街へはバスを利用した。バス会社ごとに窓口が幾つかあったが適当に選んで乗車。選んだバス会社の料金は140NTDで隣の窓口の料金より少しだけ高かったのだが、台北市内に入って高速道路出口から少し進んだところですぐに降ろされて、でも別のバスに乗り継ぐことができて、ホテルまで送ってくれた。なるほど少しだけ高かったのはこういうことか。システムがいまいち理解できていないけれど娘も少し寝かせることができて、感謝。

観光

台北での宿泊は西門のホテル。チェックインして荷物を置いた後、ホテル近くの名勝を訪ねつつ歩けるだけ歩いた。

総統府〜介壽公園〜景福門〜自由廣場門〜国家音楽院〜国家戯劇院〜中正紀念堂

▼自由廣場門
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f:id:hsabetto:20120901063308j:image:w100:right特に中正紀念堂については、建物そのものやそれを引き立てる周りの環境に息を呑んだが、それに加えて、まだ記憶にあたらしい一人の実在の人物(蔣介石)をこうやって神格化し奉る、奉るに加えて建造物の随所に意思を込めて思想を示すという点が新鮮で馴染みのないようにも思え、印象に残った。

晩ご飯

小籠包がメインのお店に入って、小籠包を食べられるだけ食べた。野菜炒めや麺も食べたのだが薄い味付けで出汁が効いていてものすごく美味しい。

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ご飯を食べたところで少し昼寝の足りない娘が活動の限界を超えていたのでタクシーでホテルに戻りすぐに就寝して、この日は終わり。沖縄と中国を足して二で割ったみたいな街並みを見ながら歩くのは楽しかった。少し呑気な人々も同様に楽しませてくれる。

明日はどこへ行こうかな。少し遠出しようかな。



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娘を乗せてサイクリング

娘には、旅先でたまに借りるレンタサイクルの後部座席のよい心象がずっと残っているようで、思い出しては自転車乗りたいとせがまれる。旅行のときまで待ってねと思っていたけれど、そうか都内でレンタサイクル借りて、周遊すればいいじゃないか、と気がついた。

世田谷区・IHIコミュニティサイクル桜新町レンタサイクルポート(IHIがやリン桜新町ポート)

とは言え、子どもを乗せられる自転車を借りられる場所はそれほど多くなくて、世田谷区のがやリンというサービスを利用した。

世田谷区>暮らし・生活のトップページ>自転車>駐輪場案内

世田谷区では区内6駅7ヶ所にレンタサイクルポートがあります。このうち4ヵ所のポート(桜上水南・経堂駅前・桜新町・等々力)では、どこでも借りられどこへでも返却ができるコミュニティサイクルシステム(愛称「がやリン」)を導入しています。例えば桜上水で借りて、桜新町で返却ということも可能です。ぜひご活用ください。

世田谷区 レンタサイクルについて

桜新町から桜新町

結局20kmくらい走ることになってしまったけれど、娘さん、道中・寄り道、楽しかったですか。


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社内SNSの存続有無とそう思う理由

今日、会社のある打ち合わせで、社内SNSの存続有無とそう思う理由について回答を求められた。反射的に「カジュアルな情報交換/共有の場は社の基本的な構成要素の一つであるから、必要」と答えたのだけれど、まったく回答になっていない(理由を訊かれているのにその根拠を答えていない)と反省したので、もう少しだけ書き捨てておく。

私が言った、社内SNSの「社の基本的な構成要素としてのカジュアルな情報交換/共有の場」というのはそもそもどういうものだろうと考えたときに、「場」という意味で言えば、会社における社内SNSの存在は、例えば学校における運動場の存在と同じような位置づけになるのではないかと思った。

学校に運動場を設置するのは法令で定められているが、その存在理由を文字として書きだすと、それはきっと「健康、安全で幸福な生活のために、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること」というものになるだろうと思う。同じように、社内SNSの存在理由を文字として書きだすと「社員同士のコミュニケーションの円滑化、情報の共有と交換、ナレッジの蓄積による生産性向上」というところになると思う。それぞれ、基底にある意義は、こうやって気持ちを乗せない文字として書くと、何だかまどろっこしくてピンとこない。ぼやけてしまうのは、それぞれの「場」自体が、もう母体を構成する要素だからなんだと思う。だから、「場」ができてしばらく経った後にそのものの原理的な存在理由を問われると、それに対して響く回答をすることは実は結構難しいのだと思う。

運動場があるということはここは学校ですよね、でもなぜ学校に運動場が必要なんですか、子どもが身体を動かす場所がいるからというのは、何となく運動場が必要な理由になっていないように思うのですが、みたいな。

前述の、気持ちを乗せない存在理由すら脅かすような何かが起こっているならば、その原理的な存在理由に立ち戻って、「場」の存続有無を議論する必要があるのかもしれないけれど、そうでない段階において存続有無を問うことは、ということで、あまり意味のあることではないのではないかと思う。「場」が既にできている場合にフォーカスするべきは、如何にその「場」を整備し、気持ちを乗せるかというもう一段上のレイヤのことであって。

組織運営における「理念の共有」と「自由裁量の極大化」

土曜日、娘が通う保育園の運営委員会に参加した。

その運営委員会は、保育園の園長さん・主任さんと、保育園運営会社の代表と幹部、第三者有識者の他、2学年につき1名の保護者代表で構成されたもの。私はその内の保護者代表として参加した。委員会の目的は、保育園の運営が適切に行われているか、それぞれの視点から確認すること、だったように思う。委員会は、まず保育園の園長さんより、保育方針・年次行事・職員のコミュニケーション計画や教育計画などが説明され、その後にそれぞれの参加者が意見を述べ、適宜討議するという形で進められた。

会自体は、しゃんしゃんと滞りなく終わったが、私は、園長さんが一番最初に説明された保育方針を改めて文字で見たときに、今まで感覚的に感じていた保育園の組織運営の素晴らしさが理解できた気がして、清々しい気持ちになった。

保育方針

  • 子どもの健やかな成長を支援します。
  • 保護者の子育てと就労を支援して、ワークライフバランスが図られるようにします。
  • 園で培った専門的な知識や技術を生かして地域の子育ての家庭の支援をします。
  • 保育の質を高めるために、職員の専門性を高める支援をしていきます。

組織運営をうまく執り行うのに必要な一番根源的な原則は、「理念の共有」だと思う。原理的でシンプルなだけに、もっとも難しいこと。もう一つは、それよりも少し上のレイヤに位置するオペレーショナルな原則だけれど、「個々の自由裁量の極大化」だと思う。

私は、この二つの原則さえ満たせているのならば、他の原則はもう要らないんだとさえ思う。

構成要員それぞれのパフォーマンスは、それぞれの自由裁量に比例する。よって、「個々の自由裁量の極大化」は、組織全体のパフォーマンスを最大化する。かつ、依って立つ「理念の共有」により、最大化された個々のパフォーマンスによる成果が同じ方向を向いているならば、個々の成果はそのまま積み上げて組織の成果とすることができる。二つの原則が重要なのは、そういう道理なんじゃないかと私は考えている。

閑話休題、

娘が通う保育園の保育士さんは、それぞれとやかく逐一指示を受けている風でもなく、それぞれの個性を発揮しながら、日々の業務やイベントの企画運営までを執り行っておられるように私の目には映っていた。そして結果、それぞれの保育士さんで採るアプローチや方法論は違っていたとしても、日々の業務やイベントにおいて、サービスを受ける側の私にはこれまでに不満が生まれたことはなかった。

自由裁量の大きさは日々感じていたことだが、委員会の冒頭の園長先生の保育方針の説明を聞いたときに、その保育方針が理念として個々の保育士さんの裁量の拠り所になっていたのだと気付き、道理が理解できた気がして、清々しい気持ちになったというわけだった。


短絡的な制度化は、構成要員のパフォーマンスを落とすかもしれない。理念の共有なき方法論の指示は、決して次につながることはない。等、今回のエピソードより今までに体感した色んな教えが導出できる。再認識した二つの原則を、改めて肝に銘じたい。