さべひろのこと

お腹が減りました。

ファミレスモーニング

今朝は近所のファミレスで朝食をとった。ここでご飯を食べるのは、去年の今頃に家族みんなで初めて来たときから一年ぶり。

このファミレスは娘の保育園の近くの通り道にあって、娘にしばしば行きたいとせがまれる場所だ。たまにアンパンマンのフェアをやってるときがあってご飯を食べるとアンパンマンのシールが貰えることがわかっているからなのか、ドリンクバーでジュースがたくさん飲めるのがわかっているからなのか、レジ近くのおもちゃ売り場が楽しいのか、多分娘にとって色んな楽しいことがある場所だからだと思う。そして娘は、楽しいことがたくさんあるこのファミレスのことを、アンパンマンのお店と呼んでいる。

土曜日の昨日は午前中に保育園の保護者会があったのだが、土曜日の保育園イベントの後には外で昼食をとることを娘はもうわかっていて、保護者会が終わると娘はいの一番にアンパンマンのお店に行きたいとせがんだ。保育園の近所で終わってすぐのご飯を食べるのはアレだし、そもそもファミレスの気分じゃないという親の都合で「アンパンマンのお店は明日の朝ごはんに来ようね」ということにして何とかやり過ごしたのが昨日だった。

そんな土曜日の翌日の今朝、親たちは昨日の約束のことはすっかり忘れ、家でご飯を食べようと、もそもそと活動を始めた。そうすると、娘は唐突にアンパンマンの店に行こうと主張した。唐突にというのは親の側の勝手な心象に過ぎないのだけれど。

一度約束したことを簡単に反故にしてはいけないので、そうして今日の朝ごはんは約束通りアンパンマンのお店でになった。

さて、注文して運ばれてきたプレートを見て、奥さんの朝ごはんの方が栄養あって美味しいのになあ、価値あるものを置いてまでこんなものにわざわざお金を出して勿体無いなあと思ったところで、自分が子どもの頃のことを思い出した。

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お父さんは多分外食が好きな人で、でもお母さんは多分外食が嫌いな人で、そしてそのお母さんの嫌いはきっと勿体無いに端を発していたように思う。子どもの頃のことを思い出したのは、今朝の勿体無いとお母さんの勿体無いがリンクしたからだろうと思う。

実家の近所にはロイヤルホストがあって、頻度は決して多くはなかったけれど、もちろんお父さんの急な気まぐれで、休日のモーニングにとそこに何度か足を運んだ。私は決まってホットケーキのセットを注文し、飲み放題のホットコーヒーをコーヒー牛乳にして2杯か3杯飲んだ。多分、勿体無いと思っていた方のお母さんの態度は不機嫌で、それを無視できない私はいつもと少し違う風味のはちみつにも感動してはいけない気がして大人しくしていた。私以外の家族が何を食べていたかはあまり記憶にないが、末っ子の弟は不機嫌な母をよそにパフェみたいなものに手を出していたような記憶がある。というか、お母さんは来なかったことすらあったはずだ。

他にももっともっとたくさんの今思い返すと面白いシーンがあったように思うけれど、もう残念ながら部分的な心象しか残っていなくってこれ以上は書き出せない。

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そんな自分の子どもの頃に比べれば、てんで波風のない今朝のファミレスモーニングだった。

ご飯が終わり、レジ近くのおもちゃ売り場で楽しそうに遊ぶ娘を見て奥さんは「子どもの頃の自分はそんなおもちゃ売り場には全く興味がなかった、弟は喜んでいたけれど私は早く帰りたかった」というようなことを言った。私にとってのファミレスモーニングは手放しで楽しんではいけない場所だったので、おもちゃ売り場に近づくことすらできなかった。

子どもの頃はあまりかわいくなかった夫婦から、素直で子どもらしい娘が生まれるのはどういう巡り合わせだろうなんてことを話しながら、今朝の朝ごはんは終わったのだった。何十年も後の娘の心に、ファミレスモーニングはどのように残るのか。後のお楽しみ。