さべひろのこと

お腹が減りました。

組織運営における「理念の共有」と「自由裁量の極大化」

土曜日、娘が通う保育園の運営委員会に参加した。

その運営委員会は、保育園の園長さん・主任さんと、保育園運営会社の代表と幹部、第三者有識者の他、2学年につき1名の保護者代表で構成されたもの。私はその内の保護者代表として参加した。委員会の目的は、保育園の運営が適切に行われているか、それぞれの視点から確認すること、だったように思う。委員会は、まず保育園の園長さんより、保育方針・年次行事・職員のコミュニケーション計画や教育計画などが説明され、その後にそれぞれの参加者が意見を述べ、適宜討議するという形で進められた。

会自体は、しゃんしゃんと滞りなく終わったが、私は、園長さんが一番最初に説明された保育方針を改めて文字で見たときに、今まで感覚的に感じていた保育園の組織運営の素晴らしさが理解できた気がして、清々しい気持ちになった。

保育方針

  • 子どもの健やかな成長を支援します。
  • 保護者の子育てと就労を支援して、ワークライフバランスが図られるようにします。
  • 園で培った専門的な知識や技術を生かして地域の子育ての家庭の支援をします。
  • 保育の質を高めるために、職員の専門性を高める支援をしていきます。

組織運営をうまく執り行うのに必要な一番根源的な原則は、「理念の共有」だと思う。原理的でシンプルなだけに、もっとも難しいこと。もう一つは、それよりも少し上のレイヤに位置するオペレーショナルな原則だけれど、「個々の自由裁量の極大化」だと思う。

私は、この二つの原則さえ満たせているのならば、他の原則はもう要らないんだとさえ思う。

構成要員それぞれのパフォーマンスは、それぞれの自由裁量に比例する。よって、「個々の自由裁量の極大化」は、組織全体のパフォーマンスを最大化する。かつ、依って立つ「理念の共有」により、最大化された個々のパフォーマンスによる成果が同じ方向を向いているならば、個々の成果はそのまま積み上げて組織の成果とすることができる。二つの原則が重要なのは、そういう道理なんじゃないかと私は考えている。

閑話休題、

娘が通う保育園の保育士さんは、それぞれとやかく逐一指示を受けている風でもなく、それぞれの個性を発揮しながら、日々の業務やイベントの企画運営までを執り行っておられるように私の目には映っていた。そして結果、それぞれの保育士さんで採るアプローチや方法論は違っていたとしても、日々の業務やイベントにおいて、サービスを受ける側の私にはこれまでに不満が生まれたことはなかった。

自由裁量の大きさは日々感じていたことだが、委員会の冒頭の園長先生の保育方針の説明を聞いたときに、その保育方針が理念として個々の保育士さんの裁量の拠り所になっていたのだと気付き、道理が理解できた気がして、清々しい気持ちになったというわけだった。


短絡的な制度化は、構成要員のパフォーマンスを落とすかもしれない。理念の共有なき方法論の指示は、決して次につながることはない。等、今回のエピソードより今までに体感した色んな教えが導出できる。再認識した二つの原則を、改めて肝に銘じたい。