さべひろのこと

お腹が減りました。

大手ではない企業に属する人材は、必ず量的拡大に対し違和感を持つ

いつぞやの日経ビジネスの記事で取り上げられていた『利益至上ではなく売上拡大が重要だ 』という命題に納得が行かなくて、最後まで個々の記事の内容が腹落ちしなかったことがあった。本当にそうなのだろうかと。高い付加価値を表す利益率の拡大が、本来は重要なのではないだろうかと。

先日、それなりに大きな合併を、継続的に繰り返している会社の人と話をする機会があった。合併それ自体を話題したわけではなくて、何かの背景として相手の社歴を聞く中で合併が続いていることに触れられた程度だったのだが、その日経ビジネスの記事を読んだときと同じような違和感を感じてしまった。そうやって量的拡大を進めることを一つの主たる手段としてしまっていいのだろうかと。

と言った話を、当社内の別の人に話をしたところ、以下の返信をもらい、びっくりした。

大手ではない企業に属する人材は、必ず量的拡大に対し違和感を持つ。それは、大手になれないことが分かっているので、それ以外を選択しようとするからである。ただし、市場は大きい会社からピックアップすることも事実であり、規模について心の中を透明にして、一度、見てみる機会にするとよい。

びっくりした、というのは、それは自分では全く気がついていなかった観点で、かつ、図星な答えだったからだ。当社は、従業員数でいうと単体で1,500人程度、連結でも3,000人いかない程度で、属する業界の市場占有率も全業態で平均するとおそらく二桁いかない。中堅企業だ。ゆえに、まさか自分の「高い付加価値を表す利益率の拡大が、本来は重要なのではないだろうか」という考えが、そんな自分のポジションを正当化することから発生していたなんて。

割合に大小はあっても、その人から出た考えの大部分は結局ポジショントークとなっている。

更地から考えることは本当に案外難しい。